空き家の解体費用とは、不動産登記簿に記載された現在の所有者(名義人)が法律上の支払い義務を負う、建物の取り壊しおよび廃棄物処理にかかる費用の総称です。
結論から申し上げます。法律上の原則は「現在の登記名義人が払う」です。兄弟で共有名義の実家を相続している場合は、民法が定める持分割合(2人なら2分の1ずつ)に応じて按分します。ただし実際の話し合いでは、誰が将来の土地活用から利益を得るのか、遺産に現金があるのかによって、最も円満な分担方法は変わります。2024年4月からは相続登記の義務化もスタートし、放置すると10万円以下の過料と固定資産税の最大6倍増というリスクが現実になっています。正確な見積もりを取得し、合意内容を書面に残すことが泥沼のトラブルを防ぐ最短ルートです。
この記事のポイント
- 解体費用は「登記名義人」が払うのが法律の原則
- 共有名義は持分割合(民法251条)に応じて按分
- 遺産から差し引く方法が最もトラブルになりにくい
- 更地渡し売却なら手元資金ゼロでも解体できる
- 放置すると固定資産税が最大6倍・相続登記の過料リスクが現実になる
空き家の解体費用は「登記名義人」が払う——これが法律の原則
解体費用の支払い義務は、建物の「登記上の所有者(名義人)」が負います。「自分は実家を使っていないから関係ない」は法律上の根拠になりません。まず登記事項証明書を確認し、名義が誰になっているかを客観的に把握することが、すべての話し合いのスタートラインです。
単独名義の場合——相続した一人が全額を負担する
相続手続きによって長男が単独で実家を引き継いだ(相続登記が完了している)場合、解体費用の支払い義務はすべて長男一人に帰属します。次男や三男が「子どもとして貢献してきた」と訴えても、法律上の根拠はありません。
ここは割り切って考えた方がいい部分です。財産を単独で引き継いだということは、それに伴うコストも単独で引き受けるということ。逆に言えば、「単独で相続する」という選択肢をとるなら、解体費用まで含めた収支計算を相続前にしておくべきでした。
ただし、兄弟関係を維持したいなら、法的義務がない次男に「費用の一部を出してもらえないか」と打診することは自由です。断られても仕方がない、という前提で切り出すのが大人の作法です。強制することはできません。
共有名義の場合——民法251条に基づき全員の合意と持分割合による按分が必要
兄弟2人が「持分2分の1ずつ」の共有名義で実家を相続している場合、解体費用も原則として持分割合に応じて折半します。3人の兄弟が3分の1ずつなら3等分です。これは「共有物の変更(解体・処分)には共有者全員の合意が必要」という民法第251条の原則に基づいています。
- 共有者の一人でも解体に反対すれば、工事は原則進められない
- 反対者がいる場合は「共有物分割請求訴訟」という法的手段が存在する
- 解体の同意を得たうえで、費用負担を持分割合に応じて事前に設定するのが最もシンプル
一点、よく誤解される点を補足しておきます。共有名義だからといって、一人が費用を立て替えてから後で「半分払え」と請求する方法は、事前の合意がなければトラブルの元になります。費用分担は工事発注の前に全員で書面合意するのが正しい手順です。
親が存命のまま実家が空き家になった場合——原則として親の財産から
親が高齢者施設に入居して実家が空き家になったものの、まだ健在で建物の名義は親のまま——実は最もよくある空き家のパターンです。この場合、建物の所有者は親ですから、解体費用は原則として親の預貯金や資産から支払うべきです。
子どもが費用を立て替えるケースも少なくありません。その際は領収書と見積書を必ず保管してください。将来の遺産分割協議において「自分が親の代わりに解体費用○○万円を負担した」と主張する根拠になります。書類なしの口頭主張は「そんな話は聞いていない」と反論されるリスクが高く(これは経験上、非常によくあるパターンです)、後悔する方を何人も見てきました。
立て替えた際の領収書・見積書は、遺産分割の場で自分を守る唯一の証拠になります。
実家の解体費用で兄弟が揉める「3つの本質的な原因」
揉める原因を「感情論」と片付けて終わりにする記事が多いですが、実際には「受益と負担のズレ」「資金不足」「出口戦略の欠如」という3つの構造的問題が根本にあります。原因を正確に把握することで、はじめて有効な解決プランが見えてきます。
原因①「実家を利用しない兄弟」が費用負担を拒否する
「私は別の場所に家を建てて暮らしているし、実家にはもう戻らない。だから実家を継ぐお兄ちゃんが全部払ってよ」——この主張が最も頻繁に起きるトラブルの種です。
実家を利用しない、あるいは将来も利用する予定がない兄弟からすれば、数百万円規模の解体費用を自分の生活費から出すメリットが感じられません。論理的には一定の筋が通っている主張です。だからこそ「法律的な義務はあるのか」「解体後の土地からどんな利益を誰が得るのか」という客観的な数字と根拠を持ち込まないと、話し合いは永遠に平行線をたどります。
感情ではなく「数字と法律」で話す——これが揉めない話し合いの唯一の原則です。
原因②「親の遺産が不足して持ち出しが発生する」という問題
親の遺産(預貯金)が十分にあり、そこから解体費用100万〜200万円をスムーズに捻出できれば、そもそも揉めにくい。問題は、遺産がほとんどない、あるいは不動産(実家)しか残されていないケースです。
この場合、兄弟それぞれが自分の生活費から「持ち出し」で解体費用を工面しなければなりません。家庭の事情や経済状況は兄弟によって大きく異なりますから、一律の折半が「不公平」と感じられることがある。ここで感情的対立が生まれます。
解決策として有効なのは、補助金・解体ローン・更地渡し売却の組み合わせです(詳細はH2④で後述)。実費負担そのものを下げることが、感情的摩擦を減らす最も現実的な手段です。
原因③「解体後の土地をどうするか」が決まっていない
「とりあえず古くなったから壊そう」と、解体後のビジョンが何もないまま費用の話を始めると、必ずと言っていいほど揉めます。「費用だけ取られて、土地を後で兄に独り占めされるんじゃないか」という不信感が生まれやすいからです。
解体後の土地の扱いとして考えられる主な選択肢は次の通りです。
- 兄弟全員で売却して現金化し、持分割合に応じて分配する
- 特定の一人が相続して家を建てる・駐車場として活用する
- 賃貸駐車場や資材置き場として運用して家賃収益を得る
- 活用の見通しが立たない場合は自治体への相談も選択肢
出口戦略を先に決めてから費用分担の話に入る——この順番を守るだけで、話し合いの空気が驚くほど変わります。
あなたに向いているのはどれ?状況別4つの費用分担プランと判断軸
プランA〜Dのどれが向くかは「遺産の有無」「解体後に土地を使う人がいるか」「兄弟間の経済格差」の3軸で変わります。まず下の判断マトリクスを確認してから、各プランの詳細を読んでください。
| プラン | 向いている状況 | 向いていない状況 |
|---|---|---|
| A:遺産から差し引き | 親の預貯金に余裕がある | 遺産がほぼ不動産のみ |
| B:更地渡し売却 | 全員が売却に同意・手元現金なし | 誰かが土地を残したい |
| C:継承者が全額負担 | 将来の活用予定者が明確にいる | 継承者の手元資金が乏しい |
| D:持分割合で折半 | 均等相続・誰も土地を継がない | 兄弟間で経済格差が大きい |
プランA|親の遺産から差し引いて残りを兄弟で均等分配する
最も不公平感が少なく、感情的トラブルになりにくい王道の方法です。親の遺産全体(預貯金など)から、まず実家の解体費用(例:150万円)を実費として差し引きます。そして残った遺産を兄弟で法定相続分に応じて分ける、という手順です。
個人の財布から身銭を切る必要がないため、「私だけ損をした」という感情的摩擦が生まれにくいのが最大のメリットです。
ただし実行するには、遺産分割協議が完了する前に解体費用の扱いを合意しておく必要があります。先に遺産を分割してしまうと、後から「解体費用を出してほしい」と言い出しにくくなる(これは本当によくある失敗パターンです)。遺産分割の話し合いと解体費用の精算は、必ずセットで議題にあげてください。
プランB|「更地渡し」を前提に土地を売却して売却益から精算する
手元に現金が一切ない場合に最も有効なプランです。不動産会社に「現在は建物が建っているが、売却が決まり次第こちらで解体して更地にして引き渡す」という条件で売却活動を行います。実際の解体費用は、土地の売却代金から相殺して解体業者に支払われるため、兄弟が事前にまとまった資金を用意する必要がありません。
更地渡しを選ぶ場合、解体工事のスケジュールと売買契約のタイミングを合わせる必要があります。「いつ解体して、いつ更地になって、いつ引き渡せるか」を業者と不動産会社が連携して段取りする必要があるため、実績ある業者への相談が重要です。弊社・首都圏緑化サービスでは、このスケジュール調整についてもご相談を承っています。
プランC|解体後の土地を単独所有する人が解体費用を全額負担する
解体後の土地を長男が単独で相続して「自分で家を建てる」「駐車場として収益を得る」という明確な活用計画がある場合は、その利益を独占する人がコストも全額負担するのが筋です。
正直なところ、このプランが最も論理的にすっきりします。「ベネフィットを受ける人がコストを負担する」という原則は、法律論を持ち出さなくても誰もが納得しやすい。ただし、土地を継ぐ人の資金力が問題になることがあります。その場合は解体ローン(後述)の活用が現実的な解決策になります。
プランD|法定持分割合で費用を完全に折半・按分する
解体後の土地を兄弟全員で均等に売却するなど、特に偏りのない形で相続を進める場合は、民法が定める法定相続分(兄弟2人なら50%ずつ、3人なら33.3%ずつ)に応じて解体費用を完全に折半・按分します。
最も客観的な数字ですが、兄弟間で経済状況に大きな差がある場合(「兄は裕福だが弟は生活が苦しい」など)、一律の折半が「不公平感」につながることもあります。プランDを選ぶ際は、各自の支払い能力と支払いタイミングについても事前に確認しておくと安心です。
費用を下げる|東京・埼玉の補助金と空き家解体ローン【2026年版】
解体費用そのものを減らすことができれば、兄弟間の負担も減り、話し合いは圧倒的にスムーズになります。2026年現在、東京・埼玉エリアで使える補助金や低金利ローンを積極的に活用しましょう。ただし東京都の場合は「都が直接出す補助」と「各区が独自に出す補助」の2層構造があり、金額差が大きいため正確な理解が必要です。
東京都内の補助金——「都制度」と「区制度」は別物、金額差に要注意
東京都が直接実施する「東京都空き家家財整理・解体促進事業」(東京都住宅政策本部、2026年6月時点)は、解体費用の2分の1・上限10万円という内容です。一方、各区が独自に設ける制度は金額規模がまったく異なります。
| 制度の種類 | 運営主体 | 補助上限 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 東京都直轄の補助 | 東京都住宅政策本部 | 10万円 | 解体費の1/2 |
| 世田谷区の独自制度 | 世田谷区 | 200万円 | 解体費の50% |
| 杉並区の独自制度 | 杉並区 | 150万円 | 解体費の80% |
「東京都内だから最大200万円の補助が出る」は誤解です。各区の独自制度の金額であり、どの区でも同じではありません。補助金には「着工前の申請が必須」「年度の予算が尽きた時点で受付終了」という共通ルールがあります。解体を思い立ったら、工事の前に必ず区役所・市役所の建築課または空き家担当窓口に相談してください。着工後の申請は一切受け付けられません。
埼玉県内の空き家解体補助金(2026年度参考情報)
埼玉県内でも空き家対策が年々強化されています。ただし重要な前提を先に共有します。埼玉県内では補助金制度がある市と、現在制度がない市に明確に分かれており、かつ制度の内容は毎年4月に予算更新されます。以下はあくまで参考情報として把握してください。
- さいたま市:耐震診断で「倒壊する可能性が高い」と診断された住宅の建替えに伴う解体への助成あり(条件あり・詳細は市に確認)
- 行田市:老朽空き家等解体補助金制度あり(2026年4月更新・危険と判断された空き家が対象)
- その他市町村:「(自治体名)空き家 解体 補助金」でインターネット検索し、各市公式サイトで最新情報を必ず確認する
弊社・首都圏緑化サービスでも、東京・埼玉エリアの補助金申請についてアドバイスを承っています。「うちの物件は補助金の対象になりますか?」というご相談も歓迎です。
空き家解体ローン——担保不要・低金利で月々の返済に分散できる
「手元の現金を減らしたくない」「兄弟間の一括負担が難しい」という場合は、多くの地方銀行や信用金庫が取り扱っている「空き家解体ローン」が選択肢になります。通常の使途自由なフリーローンと比べて金利が年1.5〜3.0%程度と低く抑えられており、担保・保証人不要のケースが多いです(金融機関によって異なります)。
自治体の補助金制度と組み合わせる使い方が有効です。補助金で一部を賄いながら残りをローンで分割返済すれば、一度に大きな現金を動かさずに済みます。ただし、ローンを組む際は兄弟間でどちらが契約者になるか、月々の返済額をどう負担するかを事前に書面で合意しておく必要があります。
放置するとどうなる?2026年現在の3つのペナルティ
「費用分担が決まらないから」と実家を放置し続けることは、2026年時点で極めてハイリスクです。法的ペナルティ・税負担増・解体費用増の3方向からリスクが迫っています。早く動くほどコストが下がることを、具体的な数字で確認してください。
相続登記義務化と「2027年3月31日デッドライン」——旧来の相続にも遡及適用
2024年4月1日から、不動産の相続登記が法律で義務化されました(不動産登記法改正)。相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請しなければならず、正当な理由なく放置した場合は10万円以下の過料(行政上のペナルティ)の対象になります(東京法務局、2024年8月更新)。
重要なのは、この義務化が過去に遡って適用されるという点です。2024年4月1日より前に発生した相続であっても、2027年3月31日までに相続登記を完了させる必要があります。すでに亡くなった親の名義のまま数年以上放置しているケースは、今すぐ対応を開始してください。
2027年3月31日——これが旧来の未登記不動産に対する最終デッドラインです。この日を過ぎると過料対象になる可能性があります。
特定空き家・管理不全空き家に指定されると固定資産税が最大6倍に
空き家を放置して老朽化が進んだ場合、自治体から「特定空き家」または「管理不全空き家」に指定されるリスクがあります。指定されると、これまで適用されていた「住宅用地の特例措置」(固定資産税を最大6分の1に軽減する制度)が解除されます。結果として翌年からの固定資産税が最大6倍に跳ね上がります。
特定空き家・管理不全空き家として問題視されやすい状態の例は次の通りです。
- 倒壊のおそれがあるほど老朽化・損傷が進んでいる
- 不法投棄・害虫発生・悪臭が近隣に迷惑をかけている
- 外壁の剥落やガラスの割れで周辺に危険を及ぼしている
- 景観を著しく損なう状態が続いている
解体費用を惜しんで放置した結果、毎年高額の固定資産税を払い続けるというのが最悪のシナリオです。100万円の解体費用を「払えない」と先送りした結果、固定資産税が年間数十万円に跳ね上がって数年で損失が逆転する、という計算は珍しくありません。
アスベスト義務化の段階的強化で解体費用が年々高くなる
2021年4月1日から、すべての解体・改修工事においてアスベスト(石綿)の事前調査が法律で義務化されました。さらに2023年10月からは、有資格者(建築物石綿含有建材調査者)による調査が義務付けられています(石綿障害予防規則・大気汚染防止法改正)。
古い実家の屋根材・外壁材・断熱材にアスベストが含まれていた場合、特殊な飛散防止対策・専門業者による除去作業が必要になります。通常の解体費用に加えて、数十万〜100万円以上の追加費用が発生するケースがある。建物の劣化が進めば進むほど、含有建材の状態も悪化し、作業難度と費用が上がります。早く動いた方が、総コストは確実に低くなります。
兄弟の話し合いをスムーズに進める「円満3ステップ」
円満な話し合いと泥沼の対立の差は、「客観的な数字があるか」と「合意内容を書面に残したか」だけです。感情論の前に、この3ステップで議論の土台を整えてください。
ステップ1|登記事項証明書で「現在の本当の名義人」を確認する
まずは法務局(またはオンライン申請)で実家の「登記事項証明書(登記簿謄本)」を取得してください。手数料は1通600円(窓口の場合)です。親の名義のままか、すでに誰かの名義になっているか、あるいは祖父の名義のまま数十年放置されているか——「現在の本当の所有者」が誰なのかを、兄弟全員が同じ書面で確認することが出発点です。
感情論で「私は関係ない」「あなたが払うべき」を繰り返す前に、登記事項証明書という一枚の紙を全員の前に出す。それだけで話し合いが急に現実的になります。
ちなみに、「親の名義のまま何年も経過していた」という場合は、2024年4月施行の相続登記義務化と2027年3月31日のデッドラインも同時に確認してください。名義を確定させることと、解体費用の分担を決めることは、セットで進める方が効率的です。
ステップ2|解体業者から正式な見積書を取得して「数字」を全員で共有する
「解体にはいくらかかると思う?」という曖昧な状態でお金の話をするのが、揉める元凶の一つです。「100万くらいだろ」「いや300万はかかる」という憶測で議論しても合意は生まれません。
弊社・首都圏緑化サービスのような専門業者に現地調査を依頼し、「総額でいくらかかるのか」「アスベストの有無、庭木・ブロック塀の撤去費用は別途いくらか」が明記された正式な見積書を取り寄せてください。東京・埼玉エリア全域での現地調査・見積もりは無料で承っています。
参考として、一般的な木造2階建て(延床面積100㎡前後・約30坪)の解体費用の目安は、東京・埼玉エリアで90万〜180万円程度です(2026年6月時点。立地・重機の搬入条件・付帯工事の有無によって変動します)。「兄弟での話し合いの場に提出するための正確な数字がほしい」というご要望にも喜んで対応しますので、お気軽にお問い合わせください。
ステップ3|合意した内容を「合意書」に残す——最低限記載すべき7項目
兄弟間で「今回は兄が多めに払って、土地が売れたら精算しよう」などと口約束で決めるのは禁物です。「そんなことは言っていない」「あの時はこう言った」という言った・言わないの問題は、親族間の関係を取り返しがつかないほど壊すことがある。合意書は面倒でも必ず作成してください。
合意書に最低限記載すべき7つの項目は次の通りです。
- 合意日と合意者全員の氏名・住所
- 解体する建物の所在地と現在の登記名義人
- 発注する解体業者名と工事総額(税込み金額)
- 各自の費用負担割合と金額(例:Aが75万円・Bが75万円)
- 支払い期限と支払い先(業者口座への直接振込、または代表者への振込)
- 解体後の土地の扱い方針(売却・分配・特定の人が相続など)
- 合意内容に変更が生じた場合の対応方法
簡素なA4用紙1枚でも構いません。全員が署名・捺印をして、各自1部ずつ保管する。この一手間が、将来の「言った・言わない」問題を根本的に防ぎます。
よくある質問
- Q. 兄弟全員が相続放棄した場合、解体費用はどうなりますか?
-
法定相続人全員が家庭裁判所で相続放棄を完了した場合、解体費用の法的な支払い義務は消滅します。ただし、次の管理者が決まるまでの間、現に占有・管理している者には一定の管理責任が残ります。最終的には家庭裁判所に申立をして「相続財産清算人」を選任し、親の残った財産(土地の売却益など)から精算する流れになります。なお、清算人選任の申立には予納金として数十万円が必要になるケースもあるため、手続き前に弁護士や司法書士へのご相談をおすすめします。
- Q. 親が認知症で施設に入っている場合、実家を解体できますか?
-
建物の所有者である親が認知症などで判断能力を失っている場合、子どもであっても親の財産を勝手に処分・解体することは法律上できません(無効行為となります)。この場合は、家庭裁判所に申立をして「成年後見人」を選任してもらう必要があります。もしくは、親がまだ判断能力があるうちに「家族信託」などの対策を講じておくことが最善です。どちらも早めに専門家(弁護士・司法書士)へご相談ください。
- Q. 兄が私(弟)の同意なしに解体業者と契約しました。弟に費用負担の義務はありますか?
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弟側(あなた)の同意なしにお兄様が単独で結んだ契約について、弟側に法的な支払い義務は発生しません。解体業者への費用は契約者であるお兄様が全額負担することになります。ただし、共有名義の物件を同意なく解体された場合、「共有物の無断変更」として法的トラブルに発展する可能性があります。まずは弁護士や司法書士へのご相談をおすすめします。
- Q. 解体費用が払えない場合、どのような方法がありますか?
-
主に3つの方法があります。①各自治体の「空き家解体補助金」を利用して自己負担を減らす、②地方銀行の「空き家解体ローン」で担保不要・低金利の分割払いにする、③「更地渡し」を前提に不動産売却を進め、売却益から解体費用を後払いで相殺する、という組み合わせが現実的です。諦めて放置する前に、まず解体業者や不動産会社にご相談ください。
- Q. 東京・埼玉の木造一戸建ての解体費用相場はいくらですか?
-
木造2階建て・延床面積100㎡(約30坪)の場合、東京・埼玉エリアでは90万〜180万円前後が目安です(2026年6月時点。立地・重機の搬入条件などによって変動します)。これに加えて家財道具の処分費、庭木・ブロック塀の撤去費用(付帯工事費)、アスベスト処理費が別途かかるケースがあります。正確な金額は、現地調査を経た正式な見積書で確認してください。
- Q. 解体後の更地はすぐに売却したほうがいいですか?
-
特別な活用計画がない場合は、できる限り早めの売却をおすすめします。住宅用建物を解体して更地にすると、その後の1月1日を起算日として翌年度から固定資産税の住宅用地特例(最大6分の1への軽減)が解除され、税額が大幅に上がります。解体工事の着工前から不動産会社と売却スケジュールを組んでおくことで、余分な固定資産税を支払わずに済みます。
- Q. 解体費用は相続税や所得税で控除できますか?
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相続した建物を取り壊した場合、解体費用は遺産分割協議において建物の評価額から差し引いた形で計算するケースがあります。また、相続した空き家を売却する際に「相続空き家の3,000万円特別控除」(相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却が条件)が適用できるケースもあります。適用要件は複雑なため、詳細は必ず税理士にご相談ください。
- Q. 旧耐震基準(1981年以前)の建物は補助金の対象になりやすいですか?
-
多くの自治体の空き家解体補助金では、昭和56年(1981年)5月31日以前に建築工事に着手した「旧耐震基準」の建物を補助対象の条件の一つとしています。旧耐震基準の建物は新耐震基準を満たしていない可能性が高く、老朽化が進んでいるケースが多いためです。ただし補助の要件は自治体によって異なります。まずはお住まいの区市町村の窓口か、弊社・首都圏緑化サービスへお問い合わせください。
まとめ——話し合いは「正確な見積もり」と「書面」から始める
実家の空き家解体は、単なる工事の問題ではありません。家族の歴史の整理であり、相続という大きなハードルの一つでもあります。兄弟間でトラブルになる最大の原因は、「いくらかかるか分からない」という不透明感と、「誰に法的義務があるのか」という基本的な知識の不足です。
まず登記事項証明書で名義人を確認し、プロによる正確な見積もりを取得する——これが泥沼の対立を防ぎ、全員が納得できる費用分担を決めるための最も確実な第一歩です。そして2027年3月31日の相続登記デッドラインを意識しながら、早めに動いてください。放置すればするほど、費用も時間も精神的コストも膨らむ一方です。
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公式/参考URL一覧
– 相続登記義務化(東京法務局): https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000275.html
– 東京都空き家解体補助(東京都住宅政策本部): https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/akiya/hojo/kaitai_seiri
– アスベスト事前調査義務化(石綿総合情報ポータル): https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/business/reform-customer/
– 補助金一覧2026年版: https://genba-mado.com/subsidy


