「空き家の解体からアパート建築」とは、老朽化した空き家を取り壊し、同じ土地に賃貸アパートを新築して、家賃収入と税負担の軽減を同時に狙う土地活用の方法です。
新築アパートが完成すれば、土地の固定資産税は住宅用地特例により課税標準が最大6分の1に戻ります。相続税の評価額も、貸家建付地の評価と小規模宅地等の特例で下がります。ただし、相続開始前3年以内に始めた貸付は小規模宅地等の特例の対象外です。また、解体の時期を誤ると1年分の税額が大きく上がります。
この記事のポイント
- 放置で税額は3〜5倍の恐れ
- 建替え特例は着工の定義に注意
- 相続税対策は3年縛りに注意
- 解体と建築の工程連携が鍵
空き家を解体してアパート建築は得?節税と収益化が両立する4つの条件
空き家の解体からアパート建築で節税と収益化を両立できるのは、4つの条件がそろう場合です。1つ目は賃貸需要がある立地であること、2つ目は再建築が可能な土地であることです。3つ目は、解体から着工までを1月1日基準で組めること。4つ目は、相続までに3年以上の時間的な余裕があるか、すでに事業的規模で賃貸をしていることです。
- 固定資産税は住宅用地特例が戻る
- 相続税は土地・建物の評価が下がる
- 収益は空室と金利への耐性で決まる
- 向かない土地も確実にある
固定資産税:新築アパートで住宅用地特例が戻る
新築アパートの敷地には、固定資産税の住宅用地特例が再び適用されます。軽減の割合は次のとおりです(国土交通省「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」より)。
| 区分 | 固定資産税の課税標準 | 都市計画税の課税標準 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(住戸1戸あたり200㎡以下の部分) | 価格×1/6 | 価格×1/3 |
| 一般住宅用地(200㎡を超える部分) | 価格×1/3 | 価格×2/3 |
アパートの場合、「200㎡×戸数」までが小規模住宅用地として扱われます。たとえば400㎡の敷地に2戸以上のアパートを建てれば、敷地全体が6分の1の軽減対象になります。戸建て1軒だと200㎡を超える部分は3分の1止まり。戸数が効いてくる仕組みです。
相続税:土地と建物の評価額が3段階で下がる
アパート建築による相続税の評価減は、次の3段階で積み重なります。
- 土地:貸家建付地の評価減
- 土地:小規模宅地等の特例
- 建物:貸家としての評価減
国税庁の計算式では、貸家建付地の評価額は「自用地としての価額−自用地としての価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合」です(国税庁 No.4614)。借家権割合は全国一律で30%です。建物側も、固定資産税評価額から借家権割合分が差し引かれます。現金のまま持つより評価額が下がるのは、この二重・三重の減額があるからです。細かい計算はH2④で説明します。
収益化:利回りより「空室と金利に耐えられるか」で決まる
アパート経営で見るべきなのは、満室想定の表面利回りではありません。空室と金利上昇に耐えられるかどうかです。建築会社が出す収支計画は満室を前提にしていることが多く、そのまま信じるのは危険です。
筆者は、少なくとも「空室率15〜20%」「金利1〜2%上昇」の2つの条件を同時に入れて、返済後の手残りがマイナスにならないかを確かめることを勧めます(これは筆者の見解で、金融機関の審査基準そのものではありません)。悪条件でも赤字にならない計画だけが「節税になる投資」です。節税額より赤字額のほうが大きくなれば、本末転倒ですよね。
アパート建築に向かない土地の特徴
次の条件に当てはまる土地は、解体してアパートを建てても採算が合わない、あるいは建てられない可能性が高いです。
- 接道2m未満の再建築不可地
- 駅から遠く賃貸需要が薄い
- 相続が3年以内に迫っている
- 重機が入れない極端な狭小地
特に3つ目は見落とされがちです。相続税対策が主な目的なら、「いつ建てるか」が損得を大きく左右します。この場合は、売却や駐車場など別の選択肢と比べて判断してください(H2⑧で比較します)。
空き家を放置すると固定資産税はいくら上がる?管理不全空家のリスク
2023年12月施行の改正空家特措法により、倒壊の危険がある「特定空家」になる前の「管理不全空家」の段階でも、勧告を受けると住宅用地特例が外れるようになりました。「固定資産税6倍」とよく言われますが、6倍になるのは課税標準です。実際の税額は3〜5倍程度が目安です。
- 管理不全空家は特定空家の手前
- 6倍は課税標準、税額は3〜5倍
- 勧告を受けた時点で特例が外れる
管理不全空家とは(2023年12月の改正空家特措法)
管理不全空家とは、そのまま放置すれば特定空家に該当するおそれがある空き家のことです。以前は倒壊寸前の「特定空家」だけが勧告の対象でした。改正後は、その手前の段階でも市区町村が指導・勧告できます。
国土交通省の資料でも、勧告を受けた管理不全空家の敷地は住宅用地特例の対象から除外と明記されています。窓が割れたまま、雑草や樹木が隣家へ越境している――そうした状態が続けば、行政から指導が入る可能性があります。
「固定資産税6倍」の正しい意味:実際の税額は3〜5倍程度
「6倍」は、小規模住宅用地の課税標準が1/6から元に戻ることを指しています。税額そのものが6倍になるわけではありません。
兵庫県宝塚市は、勧告を受けた管理不全空家について、土地の固定資産税が約3倍〜5倍になる可能性があると案内しています(増額の割合は敷地の面積等で変わります)。更地の土地には負担調整措置などが働くため、6倍まではいかないケースが多いのです。
とはいえ、年10万円の税額が30万〜50万円になれば、家計へのダメージは十分に大きい。「6倍じゃないなら大丈夫」とは言えません。
勧告を受けるまでの流れと、特例が外れるタイミング
管理不全空家に対する措置は、「指導」から始まり、改善されなければ「勧告」へと進みます。住宅用地特例が外れるのは、この勧告を受けた時点です。
言い換えれば、指導の段階で草刈りや修繕をすれば、特例は維持できる可能性があります。正直なところ、自治体ごとの運用状況(どの程度の状態で指導が入るか)は公表データが少なく、一律には言えません。遠方の空き家なら、少なくとも年に数回は状態を確認しておきたいところです。
解体の時期で税額が変わる「1月1日ルール」と建替え特例
固定資産税は毎年1月1日時点の土地の状態で決まります。そのため、年内に解体して更地のまま年を越すと、原則として住宅用地特例が外れます。例外として「建替え特例」がありますが、東京都では地盤改良や造成は「着工」に含まれないなど、要件はかなり厳格です。
- 1月1日に更地なら特例は原則なし
- 建替え特例は複数の要件を全て満たす
- 地盤改良は着工に数えない
- 勧告済みの空き家は要注意
固定資産税は1月1日時点の状態で決まる
固定資産税の賦課期日は毎年1月1日です。東京都主税局は、1月1日時点で住宅が完成していない土地(建築中・建築予定の土地)には、駐車場や店舗の敷地と同じく原則として住宅用地特例が適用されないとしています。
解体の時期と翌年度の扱いを整理すると、次のようになります。
| 解体・着工のタイミング | 翌年度の土地の扱い |
|---|---|
| 1月2日以降に解体し、年内に新築が完成 | 完成したアパートの敷地として特例あり |
| 年内に解体し、1月1日に更地のまま | 原則として特例なし(建替え特例の要件を満たせば継続) |
| 年内に解体し、1月1日に基礎工事に着手済み | 建替え特例の対象になりうる |
建替え特例の要件
建替え特例は、要件をすべて満たした場合に限り、建築中の土地にも住宅用地特例を続けて適用する制度です。東京都国立市が示す主な要件は次のとおりです。
- 前年1月1日に住宅用地だった
- 1月1日に新築工事へ着手済み
- 建替え前と同じ敷地で建てる
- 所有者が原則同一または親族
国立市などでは、1月1日までに確認申請書が受理され、3月末までに着工する場合も認めています。東京都主税局も同様の取扱いで、あわせて「住宅用地等申告書」の提出を求めています。埼玉県内の市町村は運用が異なる場合があるため、所在地の税務担当課に事前に確認してください。
「着工」に地盤改良は含まれない(東京都の定義)
ここは見落としが多いポイントです。東京都主税局の定義では、着工とは水盛り・遣り方・根切りといった住宅の基礎工事に着手している状態を指します。造成工事、地盤改良、擁壁工事、地鎮祭などは含まれません。
つまり、「12月に解体・整地、年末に地盤改良、年明けに基礎」という工程では、1月1日時点で着工していないと判断される可能性があります。解体業者と建築会社が別々に動く場合、ここの工程をすり合わせるのは発注者(施主)の役目です。
勧告済みの空き家は建替え特例が使えない可能性がある
建替え特例には、前年の1月1日に「住宅用地であったこと」という要件があります。管理不全空家や特定空家として勧告を受けた敷地は、すでに住宅用地特例の対象から外れています。
この2つを合わせて考えると、勧告後に建て替えても前年の要件を満たさない可能性があります。この点について自治体の明確な公表事例は見つけられず、あくまで制度の要件から考えた筆者の推測です。ただ、リスクは十分にあります。勧告を受ける前に動くのが一番の防御策です。
相続税対策で建てる前に知るべき「3年縛り」と評価減の実際
アパートを建てれば、貸家建付地・小規模宅地等の特例・建物の評価減によって相続税評価額は下がります。ただし、小規模宅地等の特例(貸付事業用)は、相続開始前3年以内に新たに始めた貸付を原則として対象外としています。「建てれば必ず50%減」ではありません。
- 貸家建付地は満室ほど評価が下がる
- 小規模宅地は200㎡まで50%減額
- 3年以内の新規貸付は原則対象外
- 建物は借家権割合30%分が減る
貸家建付地の評価で土地が下がる仕組み
貸家建付地とは、自分の土地に建てた建物を他人に貸している場合の、その土地のことです。計算式は「自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」になります。
仮に自用地評価額5,000万円、借地権割合60%、借家権割合30%、満室(賃貸割合100%)なら、5,000万円×(1−0.6×0.3×1)=4,100万円。900万円の評価減です(試算例)。
賃貸割合は床面積ベースで計算されるため、空室が多い時期に相続が起きると評価減が小さくなります。借地権割合は地域ごとに異なり、国税庁の路線価図で確認できます。
小規模宅地等の特例(貸付事業用)は200㎡まで50%減額
貸付事業用宅地等に該当すれば、200㎡を限度として評価額を最大50%減額できます。この特例は貸家建付地の評価と併用できるため、両方を適用すれば土地の評価額は大きく下がります。
ただし200㎡の枠は、自宅敷地(特定居住用宅地等)などと合わせて調整計算します。どの土地に特例を使うかで減額幅が変わるため、複数の土地を持っている場合は税理士に試算してもらう価値があります。
相続開始前3年以内の新規貸付は対象外(事業的規模なら例外あり)
国税庁の規定では、相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等は、貸付事業用宅地等から除かれます。平成30年度税制改正で加わった、いわゆる「3年縛り」です。
例外として、相続開始の日まで3年を超えて事業的規模(一般に「5棟10室」基準で判断される)の貸付を続けていた人が新たに始めた貸付は、対象に含まれます。
| 状況 | 小規模宅地等の特例(貸付事業用) |
|---|---|
| アパートの貸付開始から3年超で相続 | 要件を満たせば適用可 |
| 貸付開始から3年以内に相続、他に賃貸経営なし | 原則適用不可 |
| 貸付開始から3年以内に相続、3年超の事業的規模の賃貸経営あり | 適用可の可能性あり |
親が高齢で「駆け込みで建てよう」と考えている場合、3年縛りで特例が使えない可能性を必ず計算に入れてください。この場合でも貸家建付地の評価減は受けられます。
建物は「現金から建物へ」の置き換えで評価が下がる
家屋の相続税評価額は、固定資産税評価額が基準になります。新築家屋の固定資産税評価額は請負工事額の50〜60%が目安とされます(住宅会社の解説による目安で、自治体の評価で変わります)。
貸家の場合は、さらに借家権割合30%×賃貸割合が差し引かれます。3,000万円の現金はそのまま3,000万円で評価されますが、同じ3,000万円で建てたアパートは、評価額がおおよそ3割台まで下がる計算です(試算上の目安)。現金を建物に置き換えることで評価が下がるというのが、アパート建築による相続税対策の中身です。
解体からアパート完成・入居までの流れ
解体からアパートの入居開始までは、「事前調査→解体(アスベスト対応含む)→整地→地盤調査・基礎→本体・外構→竣工・募集」の順に進みます。税額に直結するのは、解体業者から建築会社へ引き継ぐタイミングです。
- 現地調査・接道と再建築可否の確認
- アスベスト事前調査・解体見積もり
- 近隣挨拶・解体・整地
- 地盤調査・基礎着工
- 本体・外構工事
- 竣工検査・入居者募集
解体前:接道と再建築の可否を役所で確認する
建築基準法では、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していない敷地には建物を建てられません。いわゆる「再建築不可」です。解体してから建てられないと分かれば、住宅用地特例が外れた更地だけが残ることになります。
道路の幅員が4m未満の場合は、セットバック(道路後退)で敷地面積が減ることもあります。解体の見積もりより先に、建築指導課で接道状況を確認しておきましょう。
アスベスト事前調査と報告(2023年10月から有資格者が必須)
建物の解体では、規模を問わず石綿(アスベスト)の事前調査が必要です。2023年10月1日からは、建築物石綿含有建材調査者などの有資格者が調査を行うことが義務になりました。
解体部分の床面積の合計が80㎡以上の建築物の解体工事では、元請業者が調査結果を報告しなければなりません。報告は「石綿事前調査結果報告システム」から、都道府県等と労働基準監督署へ一括で行えます(環境省)。見積もりの段階で、調査費・除去費が含まれているかを確認してください。
近隣挨拶・マニフェスト・地中障害物の処理
解体工事で最も揉めやすいのは、騒音・振動・粉塵です。着工前の近隣挨拶や、隣家の外壁・塀の現況写真の撮影は、後のトラブルを防ぐ「保険」になります。
産業廃棄物の処理では、マニフェスト(産業廃棄物管理票)の写しをもらえるかを必ず確認しましょう。地中から古い基礎、浄化槽、ガラ(コンクリート片)が出た場合の追加費用のルールも、契約前に書面で決めておくのが鉄則です。
更地から地盤調査・基礎着工へのバトンタッチ
整地が終わったら、建築会社が地盤調査(スクリューウエイト貫入試験など)を行い、必要なら地盤改良、その後に基礎工事へと進みます。
H2③で説明したとおり、東京都の基準では地盤改良は「着工」に数えられません。年末をまたぐ工程なら、「1月1日に根切りまで進んでいるか」を逆算した工程表を、解体業者と建築会社の双方から出してもらうのが安全です。
解体・外構を分離発注すると費用はどう変わる?
ハウスメーカーに解体から建築まで一括で頼むと、解体や外構は下請け業者が施工することが一般的で、元請けの経費が上乗せされます。解体・外構を専門業者に直接発注(分離発注)すれば、その分を抑えられる可能性があります。ただし、工程調整と責任の範囲を施主側で管理する手間が増えます。
- 一括請負は下請け経費が乗る
- 分離発注は工程管理が施主側に
- 削減額は見積もり比較で確認する
一括請負の下請け構造とコストの内訳
ハウスメーカーや建築会社は、解体部門を持たないことが多く、解体工事は専門業者に外注されるのが一般的です。発注者から見れば、実際に作業するのは同じ解体業者なのに、元請けの管理費が加わった金額を払うことになります。
この上乗せ率について、公的な統計は見つかりませんでした。元記事にあった「15〜25%」という数字も裏付けが取れていません。実際の差額は、一括見積もりと直接見積もりを並べて初めて分かるものです。
分離発注の注意点:責任の範囲と工程の調整
分離発注の弱点は、責任の境目が曖昧になりやすいことです。たとえば「整地の仕上がりが悪く、地盤改良が増えた」とき、解体業者と建築会社のどちらの責任か。ここで揉めるケースは少なくありません。
対策はシンプルで、引き渡し時の地盤面の高さ・転圧の程度・埋設物の撤去範囲を契約書に書くことです。建築会社にも事前にその仕様を見せ、了承を得ておくと安心です。
【試算モデル】一括発注と分離発注の費用比較
以下は、木造アパート(延床80坪)・旧家屋35坪の解体を想定した試算モデルです。実際の見積額や施工実績ではありません。条件によって金額は大きく変わります。
| 項目 | 一括発注(試算) | 分離発注(試算) | 差額(試算) |
|---|---|---|---|
| 解体・整地 | 約250万円 | 約190万円 | ▲約60万円 |
| アスベスト調査・除去 | 約45万円 | 約35万円 | ▲約10万円 |
| 外構・舗装・植栽 | 約350万円 | 約270万円 | ▲約80万円 |
| アパート本体 | 約6,000万円 | 約6,000万円 | ±0円 |
| 合計 | 約6,645万円 | 約6,495万円 | ▲約150万円 |
このモデルでは、総額に対する差は約2.3%です。建物本体の価格交渉のほうが金額としては大きいことも覚えておいてください。分離発注は「確実に効くコスト削減策のひとつ」くらいに捉えるのが現実的です。
解体費の相場と補助金は「着工前に自治体へ確認」
解体費は構造・立地・付帯工事で大きく変わります。民間の解体情報サイト「解体相談ナビ」は、埼玉県川越市の木造住宅の解体費を、付帯工事込みの総額ベースで坪約5.7万円程度と紹介しています(あくまで目安)。
補助金は自治体ごとに大きく違います。川越市公式サイトの「空き家の解体」ページ(2026年9月1日更新)には、解体費用シミュレーターの案内はありますが、解体費そのものへの補助制度の記載は見当たりませんでした。
ほぼすべての補助制度は「着手前の申請」が条件です。契約・着工の前に、所在地の空き家担当課へ問い合わせる――この順番だけは守ってください。
解体からアパート建築でよくある失敗5つ
解体からアパート建築での失敗は、主に5つです。業者選びのミス、サブリース契約への過信、地中障害物による予算超過、過剰な設備投資、そして減価償却が終わった後の税負担増(デッドクロス)。いずれも契約前の確認と、長期の収支計画で防げます。
- 格安業者の不法投棄・追加請求
- サブリースの賃料見直し
- 地中障害物で予算オーバー
- 過剰設備で利回り低下
- デッドクロスで税負担が増える
格安業者の不法投棄・追加請求
相場より極端に安い見積もりには理由があります。廃棄物の不適正処理や、工事中の「埋設物が出た」という名目での追加請求がその典型です。
川越市も公式サイトで、解体工事は建設業許可または解体工事業登録のある業者に依頼し、見積もりは複数社から取るよう呼びかけています。許可・登録の有無は、埼玉県の名簿で確認できます。
サブリースの賃料見直しで収支が崩れる
「30年一括借り上げ」を謳うサブリース契約でも、借り上げ賃料は数年ごとに見直されるのが一般的です。空室が増えたエリアでは、減額を求められることもあります。
筆者としては、サブリースがなくても一般管理(集金代行)で返済が回る計画でなければ、そもそも建てるべきではないと考えます。契約書の「賃料改定」「解約」条項は必ず読むこと。営業担当者の口頭説明より、書面が全てです。
地中障害物で予算オーバーになる
古い家の下には、昔の基礎、井戸、浄化槽、瓦やガラが埋まっていることがあります。解体時に撤去しきれないと、建築会社の地盤調査や杭工事の段階で発覚し、追加費用と工期の遅れにつながります。
見積もりに「地中障害物は別途」とあれば、その単価(1㎥あたりいくらか)まで確認しておくと安心です。「別途」の中身が曖昧な見積書はトラブルの種になります。
賃貸需要に合わない過剰設備で利回りが下がる
設備を豪華にすれば家賃が上がる――とは限りません。エリアの家賃相場には上限があり、それを超える設備費は回収できずに利回りを削ります。
単身向けなら、宅配ボックス、ネット無料、独立洗面台など、入居者の検索条件で絞り込まれやすい設備を優先するのが定石です。地元の賃貸管理会社に「このエリアで決まる条件」を聞くのが一番確実な方法です。
減価償却が終わる「デッドクロス」で税負担が増える
住宅用の建物の法定耐用年数は、木造が22年、軽量鉄骨造(骨格材の肉厚3mm超4mm以下)が27年です(国税庁の耐用年数表)。この期間が過ぎると減価償却費が計上できなくなります。
一方でローンの元本返済は経費になりません。このため、帳簿上の利益(=税金)が増えるのに手元の現金は増えない「デッドクロス」が起きます。築15〜20年の時点で、修繕・売却・借り換えの方針を決めておくと慌てずに済みます。
アパート建築・売却・駐車場:空き家の活用法を比較
空き家の活用法は、アパート建築だけではありません。一定の要件を満たせば、空き家を売却して譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります(2027年12月31日まで)。駐車場は初期費用が小さい反面、住宅用地特例がないため税負担は重くなります。
- 売却は3,000万円控除の対象か確認
- 駐車場は住宅用地特例なし
- 判断は立地と相続までの期間で
売却:空き家の3,000万円特別控除が使えるか
相続した空き家を、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに一定の要件を満たして売却すると、譲渡所得から3,000万円を控除できます(国土交通省)。適用期限は2027年(令和9年)12月31日までです。
主な要件は、昭和56年5月31日以前の建築であること、売却代金が1億円以下であることなど(国税庁 No.3306)です。2024年1月1日以後の譲渡から、相続人が3人以上いると控除額は2,000万円になります。
駐車場:初期費用は小さいが、固定資産税は重い
月極駐車場やコインパーキングは、砂利敷きなら初期費用が小さく、やめるのも簡単です。ただ、東京都主税局が示すとおり、駐車場の敷地には住宅用地特例は適用されません。
更地と同じ水準の固定資産税がかかり続けるうえ、相続税の評価でも貸家建付地のような減額はありません。駐車場は「将来の方針を決めるまでのつなぎ」と割り切るのが向いています。
判断マトリクス:あなたの空き家に合う選択肢
ここまでの内容を、立地と相続までの期間という判断の軸で整理しました(筆者の整理で、最終判断は税理士・不動産会社への相談を前提にしてください)。
| 状況 | 向いている選択肢 | 理由 |
|---|---|---|
| 駅に近く賃貸需要が強い/相続まで時間がある | アパート建築 | 固定資産税・相続税の軽減と家賃収入を両取りできる |
| 旧耐震の家を相続済み/3年以内に売れる | 売却(3,000万円控除) | 譲渡税を大きく抑えて現金化できる |
| 賃貸需要が弱い/方針が未定 | 駐車場・更地管理 | 撤退が簡単で、判断を先送りできる |
| 再建築不可 | 売却(隣地・専門業者) | アパートは建てられない |
首都圏緑化サービスに相談できること
株式会社首都圏緑化サービスは、埼玉県川越市を拠点に、埼玉県を中心とした首都圏近郊で建物解体・一般土木・伐採抜根・駐車場土木工事などを手がける会社です。アパート建築を前提とした解体から整地までを、直接依頼できます。
- 木造・鉄骨・RC造の解体に対応
- 伐採・抜根・造成もまとめて依頼
- アスベスト含有建物の解体に対応
解体・土木・伐採をまとめて依頼できる
首都圏緑化サービスは、木造・鉄骨造・RC造の建物解体に加えて、一般土木、伐採・抜根・造園土木、駐車場土木工事を事業として掲げています。
長く放置された空き家では、庭木の越境や雑草の処理が解体と同時に必要になることが少なくありません。建物の解体と樹木の処理を一社にまとめられると、工程も窓口もシンプルになります。
アスベスト含有建物や密集地の解体にも対応
同社は、建物の密集地やアスベストを含む建物の解体にも対応するとしています。築年数の古い空き家ほど、スレート屋根や外壁材などに石綿含有建材が使われている可能性は高くなります。
依頼する際は、有資格者による事前調査と報告を誰が行うかを見積もりの段階で確認しておきましょう。
建築会社との工程調整を見据えた「更地渡し」の相談
アパート建築を前提とする解体では、「どこまで掘って、どの高さで、どれだけ締め固めて渡すか」が建築側の費用を左右します。建築会社が決まっていれば、その仕様書を持って相談すると話が早く進みます。
1月1日をまたぐ工程なら、解体完了日と基礎着工日を同じ工程表に載せることを依頼してください。見積もりの条件や対応エリアの詳細は、同社へ直接お問い合わせください。
よくある質問
Q1. 空き家を解体すると固定資産税は本当に6倍になる?
6倍になるのは課税標準で、実際の税額は3〜5倍程度が目安です。更地には負担調整措置などが働くため、税額がそのまま6倍になることは多くありません。ただし数倍に増えるのは確かなので、解体後の計画を先に決めておくことが大切です。
Q2. 空き家の解体は何月にするのが得?
すぐに建てない場合は、1月2日以降に解体するのが基本です。固定資産税は1月1日時点の状態で決まるため、年末に更地にすると翌年度から特例が外れます。アパートを建てる予定なら、建替え特例の要件に合わせた工程を組んでください。
Q3. 1月1日に工事中なら住宅用地特例は続く?
建替え特例の要件をすべて満たせば続きます。前年に住宅用地だったこと、1月1日に基礎工事へ着手していることなどが条件です。東京都では、地盤改良や造成は着工に含まれません。
Q4. アパートを建てれば相続税は必ず下がる?
必ず下がるとは言えません。相続開始前3年以内に始めた貸付は、原則として小規模宅地等の特例の対象外です。貸家建付地の評価減は受けられますが、建築費の借入と収支のバランス次第では、かえって損をすることもあります。
Q5. アパートを建てると土地の固定資産税はどれくらい下がる?
200㎡×戸数までの部分は、課税標準が6分の1になります。都市計画税も同じ部分が3分の1になります。戸建てより戸数が多い分、広い敷地でも全体が小規模住宅用地になりやすいのが特徴です。
Q6. 解体前のアスベスト調査は必須?
規模を問わず必須です。2023年10月からは有資格者による調査が義務で、解体部分の床面積が80㎡以上なら結果の報告も必要です。報告は電子システムで行います。
Q7. 解体と建築は別々の会社に頼んでもいい?
問題ありません。解体・外構を専門業者に直接頼めば、元請け経費を抑えられる可能性があります。その代わり、引き渡し時の地盤の仕様や工程を、施主が両社の間に立って調整する必要があります。
Q8. 空き家の解体に補助金は使える?
自治体によって、使える場合と使えない場合があります。補助の有無・金額・要件は市区町村ごとに異なり、ほとんどが着工前の申請を条件にしています。契約前に、所在地の空き家担当課に確認してください。
Q9. 空き家はアパートにするのと売るのと、どちらが得?
立地と相続までの期間で変わります。賃貸需要が強く時間の余裕があるならアパート建築、旧耐震の家を相続した直後なら3,000万円控除を使った売却が有力です。両方の手残りを試算して比べるのが確実です。
Q10. アパートは木造と軽量鉄骨どちらがいい?
コストと償却のスピードを重視するなら木造、遮音性と耐久性を重視するなら軽量鉄骨が候補です。法定耐用年数は木造22年、軽量鉄骨(肉厚3mm超4mm以下)27年です。最終的には、エリアの家賃水準に対して建築費を回収できるかで判断します。
まとめ:解体のタイミングと相続までの期間が、節税の成否を分ける
空き家を解体してアパートを建てれば、固定資産税・相続税の軽減と家賃収入を同時に狙えます。ただ、その効果は「いつ解体し、いつ着工し、いつ相続が起きるか」で大きく変わる――これがこの記事で一番伝えたかったことです。
- 勧告を受ける前に動き始める
- 1月1日時点の工程を逆算する
- 3年縛りを前提に時期を決める
- 悪条件でも赤字にならない収支か
まずは、所在地の役所で接道と再建築の可否を確認すること。その上で、解体業者と建築会社の双方から工程表と見積もりを取り、税理士に相続税・所得税の試算を依頼してください。埼玉・首都圏で解体・整地から相談するなら、首都圏緑化サービスのような解体・土木の専門会社に早めに声をかけておくと、工程の組み立てがスムーズになります。
※本記事は2026年9月時点で確認できた公的機関の情報をもとに作成しています。税制・補助制度は改正される場合があります。個別の税額判断は税理士等の専門家にご確認ください。
主な出典:国土交通省「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」/東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」/国税庁 No.4124・No.4614・No.3306/環境省「石綿の事前調査結果の報告制度」/川越市「空き家の解体」
解体工事をお考えの方、解体工事の正しい進め方がわからない方へ

解体工事、造成工事、伐採工事は安全安心な首都圏緑化サービスにお任せ下さい❗️
旧耐震住宅だから、築年数が多いから…解体業者を探したけれどこの見積もりが合っているのかわからない…
解体は人生のうちにそう何度もするものではないかと思いますので、適正価格かわからなくて不安ですよね。首都圏緑化サービスでは他社の見積もりがあっているのか不安、断られてしまった建物、そういった方のお問い合わせもお待ちしております。
弊社は埼玉県内を中心に業務展開しているアジアグループの一員で、自然環境の保護・環境汚染を起こさない適切な施工技術で今までも選ばれてきた安心安全な解体業者です。自然環境保護を第一に考えた解体工事の高い施工クオリティと数多くの施工実績で業界をリードする建物解体工事のプロフェッショナル。
数ある解体業者の中で選ばれている3つの理由とは?

首都圏緑化サービスは、東京・埼玉エリアで2,000件を超える解体工事の実績があります。なぜ首都圏緑化サービスが選ばれているのかにはもちろん理由があります。解体以外にも造成・伐採抜根・改修も行います。どのようにすればお客様の求める適切な工事が行えるか提案することが可能となります。ぜひ解体実績をご覧ください。
低価格なのに高クオリティ
建物の規模、構造、近隣の状況調査、有害物質の有無などの調査の上、明確費用を計算します。計画を立て効率化をすることにより当社の工事はコストを削減しております。面倒な手続きなども当社が代行いたします。
安全管理を徹底的に行います
客様に安心していただける丁寧な仕事を日々心がけており、お請けした全ての工事の安全管理を徹底しております。マニフェスト制度を守り、不適正な処理による環境汚染や社会問題となっている不法投棄は行いません。
環境に配慮した施工
建設リサイクル法やアスベスト対策などの規定を遵守し、環境に優しい工事を遂行いたします。アスベストに対しては設計図書等及び現場目視によって調査、工事の施工中は防じんシートや散水などで粉じんの飛散を防止、石綿の飛散防止で使われた水も適切に処理しております。
相談だけでもお声がけください

首都圏緑化サービスでは、現在解体工事、造成工事、伐採伐採工事させていただいています。法人・個人、工事規模の大小にかかわらず、不動産に対する広い知識でお客様に合ったサービスの提供を行うことを心がけております。心配な事、相談だけでも気兼ねなくお声掛けください。
建物解体工事のプロフェッショナルとして、木造解体、鉄骨造解体、RC造解体など建物の解体に関わる全ての業務を請け負います。建物密集地、アスベストが含まれる建物など、他社では技術的に困難な工事も当社にお任せください。
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